＜VanNuys 25th DITA DREAM完成までの経緯と背景＞
バンナイズ25周年に当たり何か記念になるものを創ろうと考えた事がVanNuys 25th DITA DREAM vintage goldの企画のスタートでした。
約2年前の事です。バンナイズはポータブルオーディ用のケースなどを多く手掛けている関係でDITA AUDIOのCEO「Danny」さんと知り合い、その後会う度に親密な友達関係が構築されてきました。VanNuys × DITAのコラボ商品、DITAオリジナルイヤフォン用キャリングケースや白いDITAオリジナルイヤフォンケース などをDannyさんと私で企画してきたりもしました。そんな時DITA AUDIOのフラッグシップモデルDITA DREAMが生産終了になると聞きDannyさんにVanNuys 25周年記念の DITA DREAMは創れないかと相談、そして快諾してもらい今回の企画が現実的になってきました。
私もDITA DREAMの愛用者でもあるのでDITA DREAMの音の素晴らしさはよく理解ていました。バンナイズ創業25年を記念したアイテムとしてはこれ以上のアイテムはないと考えました。そしてすぐにVanNuys 25th DITA DREAM用にドライバーやパーツを確保してもらいました。生産終了になった時点でパーツは残り少なく予備も含めて25個を商品化できるかどうかも微妙な感じではありましたが何とかDannysさんのお陰で確保する事が出来ました。
その後、筐体の色をどうするか、記念の刻印をどうするか、デザインはどうするかなど、Dannysさんと会う度に話が盛り上がり、たまには生産不可能なデザイン仕様だったり、色だったり、そして結局まとまらない日々。私もDannysさんもデザイナーでありCEOであるので現実よりデザイナーとしての夢が先行してしまう傾向にあります。しかし新しいモノを生み出すというワクワク感もあり、会う度毎回楽しいミーテイングでした。
＜製品仕様決定へ＞
そして約一年前、色々試作した結果本体カラーは生産後に手作業による後処理が必要なビンテージゴールドに決定しました。筐体の形や作り方はDITA DREAMのオリジナル仕様のままのチタン製で変更なし。プラグ部分はオリジナルのブラックで変更なし。このパーツを変えるとDITA DREAMの音では無くなるからです。音に影響しないスプリッターやケーブル中間の金属部分は新たに型を起こしチタン製ビンテージゴールドで統一。筐体色がビンテージゴールドのチタン製なので、その他の金属部分がオリジナルと同じアルミ製では仕上がった時に色が違って違和感があるからです。売価をDITA DREAMオリジナルの製品価格と同じを目標にしてきたので、25個を作るためだけに型を作り、しかもチタンで制作というのは費用的にもかなり無茶な試みでした。この生産数量だと量産形ではなくて殆どハンドメイド生産に近い形になってしまいます。そして制作工房の技術が仕上がりに大きく影響します。ハンドメイドに近いので作り上の心配もありましたが、記念なので制作費用よりデザインにこだわった部分であり、妥協の出来ない部分でもありました。
＜VanNuys 25th DITA DREAM販売終了＞
生産数量：25個（付属プレートにシリアルナンバー入り）
カラー：ビンテージゴールド
仕様：色以外DITA DREAMと同じ
箱：DITA DREAMと同じ
（以下説明をご参照ください）
販売価格：￥210,000（税込￥226,800）
＜チタン筐体について＞
DITA DREAMの筐体はエンジンと同じように原型は鋳造です。そしてチタン製です。DITA DREAMの、他に類を見ない音はDITA AUDIOの音作りに対する拘りや取り組み方は元より、この作り方とチタンという素材、そして鋳造時にできる密度の違いや細かい穴等が大きく影響していると思われます。コンピューターを使った旋盤等で制作した削り出しの物作り方とは一線を画します。
一般に広く承知の通り鋳造の場合は削り出しによる製造方法と比較した場合、型に流し込んで製造するため表面精度に限界があるのが実情です。音に影響のある筐体内部は別工程で高い技術と制度によって精密に制作されています。合わせ目の解らないような超高精度の削り出し製品に比べて制作する会社の姿勢や技術が大きく仕上がりを左右する部分です。しかし音を聴くとそんな筐体外側の好みなどは全く問題にならないぐらいの性能と音質に驚愕で、強烈に感動したのをしっかり覚えています。
それ以降、ダイナミックドライバーのイヤフォンの可能性と素晴らしさに気付きDITA DREAMの虜になっています。イヤフォンは音を聴くためのモノなので造りより最優先は音というのを実感した瞬間でもありました。
＜最も重要な事＞
VanNuys 25th DITA DREAM vintage goldは筐体表面のザラッとしたイメージに合わせて少し使い込んだようなビンテージ感を再現した加工を施しています。イヤフォンでは初めての試みだと思います。GOLDのDITA DREAMだからこそ可能なこのビンテージ感です。そして表情は筐体ごとに違い味わい深い渋い雰囲気になています。今回の25周年記念企画で最も拘った部分でもあります。非常にざっくりした言い方で適切ではないかもしれませんが私の印象としてはピカッとしていて 「うわー綺麗！」 というより 「渋くてカッコイイ！」 という大人の感じだと思います。ブラックのDITA DREAMはご存知の通り筐体の合わせ目や筐体とケーブルの接合部分の仕上がりにかなりのバラツキがありるように思います。この部分は国産のチタン筐体ですが制作工房の技術の問題なのかもしれません。唯一最後まで納得のできなかった部分でもあります。その辺りも全く同じです。しかしDITA DREAMにはそんな事を超越した魅力があるのも間違いなく事実だと思います。違う所はVanNuys 25th DITA DREAM vintage goldは最後のDITA DREAMという事もあり、特別にDITA社内のラボで組み立てられているという事です。DITA AUDIO社内の選ばれた専門スタッフが採算を意識せず時間を掛けて組み上げたと報告を受けています。だから音質と信頼性は高いと思います。傷とか汚れを気にせずザックリと使って欲しいイメージです。細かい部分の気になる方や、ピカピカで超高精度な造りを求めている方は方向性が違うような気がしますので購入しない方がいいと思います。このビンテージ感に共鳴して頂ける方だけが大切に使って欲しいと心より願っています。
株式会社バンナイズ 代表取締役 多田 浩
VanNuys 25th DITA DREAM vintage gold
VanNuys 25th DITA DREAM vintage gold／スプリッター表面、25周年記念刻印／新しくチタン製で制作。
VanNuys 25th DITA DREAM vintage gold／スプリッター裏面、25周年記念と創業年の刻印／新しくチタン製で制作（オリジナルはアルミ製）
VanNuys 25th DITA DREAM vintage gold／ケーブル中央部分／新しくチタン製で制作（オリジナルはアルミ製）
さらにVan den Hul社 3T導体ケーブルが限りなくピュアな伝送を実現。
ダイナミック型を極めたフラッグシップモデル。
DITA Dreamは、ダイナミック型シングルドライバーイヤホンの究極を具現化した、待望のフラッグシップモデルです。日本で加工される高精度のチタン製シャーシは、音響工学に基づいた設計により、徹底的にエアーフローとダンピングを制御。新開発10mm径ドライバーの能力を最大限引き出し、広帯域に渡りレスポンスに優れた正確なサウンドを提供します。ケーブルは、30年以上の歴史を持つハイエンドオーディオケーブルメーカー「Van den Hul」との共同開発による、カスタムIEM 2pinタイプの〝The Truth″ケーブルを採用。
さらに一般的なシングルエンド接続（3.5mm/3極）と、バランス接続（2.5mm/4極）に、プラグ交換で対応できる“Awesomeコネクター”も搭載。ダイナミック型シングルドライバーにこだわるDITAが、持てる全ての技術を投入した最高のイヤホン、それがDreamです。
精巧な加工技術により誕生したチタン製シャーシ
精密なエアーフローとダンピングのコントロールを実現するために、アコースティックチェンバーに高精度の最適化を施しました。エアーフローの制御は、周波数特性に大きく影響を与える為、左右の音の差異を最小限に抑えるためにも高い加工精度が必要となります。音響工学に基づき設計したチタン製シャーシ内の形状を、精度高く切削するだけで無く、全ての接触面を限りなく平面に研磨する為に、日本でシャーシ加工を行います。
さらにシャーシ内部は、空気の流れによる制動能力が最大化する様に設計。新開発ドライバーの能力を最大限引き出し、レスポンスに優れた、クリーンかつダイナミックな再生音で音楽を奏でます。
DITAは、シングルドライバーによるワイドレンジ化を設計コンセプトとして掲げ、広帯域に渡り正確な再生能力を持つ、10mm径ダイナミック型ドライバーユニットを新たに開発しました。カーボンコーティングを施したマイラー振動板や、高純度OFCボイスコイルの採用。そして、高磁力のリングマグネットとポールピースの搭載は、より速いレスポンスとパワーハンドリングを可能にします。
さらに、フロントウエーブガイドが位相をコントロールし、音導管へ正確に伝送します。アコーステックダンパーは、チェンバー内のアブソーバーが余分な成分を減衰し、正確でクリアネスを高めた再生を実現。精巧な加工技術により誕生した新デザインのチタンシャーシと共に、新開発ユニットのポテンシャルを最大限引き出します。
〝Awesomeコネクター″
一般的なシングルエンド接続（3.5mm/3極）と、Astell&Kernプレーヤーなどのバランス接続（2.5mm/4極）に、プラグを交換する事で対応する画期的なAwesomeコネクターを搭載。
〝The Truth″
ケーブルには、30年以上の歴史を持つハイエンドオーディオケーブルメーカー「Van den Hul」の導体テクノロジー「3T（True Transmission Technology)」を導入した“3T”導体をコアに使用。安定性の高いアモルファス（無結晶）構造が、結晶粒界歪みの発生を防ぎ信号レベルの大小問わず高い解像度を実現します。さらにその周囲に銀メッキOFC銅線を配したハイブリッド構造により、更なる高純度の信号伝送を実現。イヤホン本体から圧倒的なクリアネスとワイドレンジ再生を引き出します。また、DITAイヤホンとして、初めてカスタムIEM 2pinタイプを採用しました。
※全てのイヤホンとリケーブルの互換性を保証するものではございません。ご購入前に必ずお確かめください。
下図は、Klippel社測定器にてIEC規格のGRAS RA0045マイクを使用して検証した周波数特性応答のグラフです。R側が赤色、L側が白のラインですが、左右の特性の差異が殆ど皆無であることが分かります。これは、ステレオ再生における定位感を、完璧に近い形で再生できることを意味しています。
